トラ理事長の 「在宅医療:医療事務のミカタ」

在宅医療に特化した診療所の医療事務のブログ

暦週と暦月

トラ理事長、診療報酬点数表を見ていると
「1月につき」    「1週につき」    「1日につき」
の用語がよく出てきてこんがらがる時がないですか?

そうだね、
算定するうえでよく理解をしておく必要がある用語だね
1月につき は「暦月」(れきづき)、
1週につき は「暦週」(れきしゅう)と言うよ
主なものを挙げてみよう

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こんなに色々算定するときの決まりが違うなんて、奥が深いです。
勉強頑張ります!

上に挙げた以外にもいろいろあるよ。
コツコツと積み重ねていくことが大事だね ^^

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 退院時共同指導 ~ポチ五郎さんの退院~

 

~ある秋ごろの出来事~

 RRRR・・・入院先の病院より 

 

     夏から入院していたポチ山ポチ五郎さんの自宅退院を

  近々予定しています。

  退院前のカンファレンスを開催したいのですが、いかがでしょう

 

という電話がありました。
「退院後の在宅での療養上の必要な説明および指導」を退院前に話し合いを行いましょう、ということですね。
明後日入院先の病院で行われることになりました。
カメ先生とレオ看護師が参加しますよ。

 

そりゃあよかったっす でも、 
ポチ五郎さんは鶴亀マンションで独居ですよね?
たしかご家族は遠かったような。 大丈夫かなぁ

そうなんです。 
近くのレインボー茶屋町に入所の話も出たのですが、
「どうしても家に帰るんじゃ!」とポチ五郎さんの強い希望があったようです。 
で、入院中に介護保険の更新申請を行い、介護度が上がったので 
入院前とは違うサービスやサポート体制を整えなくてはいけません。 ケアマネさんは変わりません。

あ、ちょっと前に勉強した!
以前はお風呂の介助やリハビリもなかったから、ケアプラン変更を話し合う「担当者会議」があるかも!だね。

フムフム!そうですね^^

 

今回のポチ五郎さんの話し合いは病院に行くんよな?
カメ先生と看護師さんが行くなんて、そんな会議があるんじゃなぁ・・・ 
でも入院中の話し合いなんじゃから事務には関係ないでしょ?

・・・茶太郎くん、診療報酬点数表ですこし勉強したのではないのですか?

そ、そりゃ救急車のとこだけですよ
え?でも病院に入院中にするカンファレンスなんだから
算定は病院がするんじゃないの?
だってその時点ではうちの患者さんではないでしょ?

なるほど、確かに算定日を含めて難しいかもしれませんね

退院時共同指導1
医師または看護師等、薬剤師、管理栄養士、理学療法士作業療法士言語聴覚士もしくは社会福祉士が患者さんの同意を得て、共同して情報提供をし、文書で提供する

  ※入院中1回、厚生労働大臣が定める疾病等の患者は2回まで
   1.在宅療養支援診療所の場合   1500点
   2.それ以外の場合       900点
   特別管理指導加算 200点
       (別に労働大臣が定める特別な管理を要する状態等の場合)
 
レセプトコメント 摘要欄に「入院日」を記載

 

でも、これをいつ算定する?
入院中だから保険証の確認も契約もできていないでしょ?
本人には請求しないってこと?

いえいえ、そうではありません
退院時共同指導1を算定するのは実際カンファレンスが行われた日ですが
レセプトや本人に対して請求をするのは
退院後、先生が実際に訪問診療を始めたときに請求します

なんや、よ~わからんわ
なら、月末にカンファレンスがあって次の月に退院したらどうするん?

例:9月30日  退院前カンファレンス実施
   同日  退院時共同指導1を算定 ⇒ 退院し、訪問開始となるまで
                     9月分のレセプトと本人請求は保留  
  10月5日退院  
  10月6日 初診+往診を算定  ⇒ 9月末の退院時共同指導1を
                   レセプト(月遅れ請求)と本人請求をする 
                  
 ☆退院時共同指導1を行っても万が一退院できなくなる可能性もあります
  その場合はカンファレンスが行われたとしても請求できません
  注意が必要です

 

なんか漏れそうでこわい・・・

おっ!茶太郎くんも算定漏れが怖いと思うようになったのですか、少し成長してきましたね

おっ ぼくトイレ行ってこよっと!!

「漏れ」ってそっち?・・・

退院時共同指導後の訪問診療(同日)

退院時共同指導料1を算定するので同日の初診料、再診料、往診料、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)は別に算定出来ません
気を付けましょう

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つぶやき ~その4~

 

こんにちわ、トラです。

 

最初のつぶやきから早2か月。

 

 

当院では、カメ先生がITに強いこともありコロナ第二波が来ている今、テレワーク第一弾の反省を踏まえ第二弾に突入しました。

医師2名、看護師3名、医療事務4名、MSW1名の当院。

医師1名に対して基本看護師が1名同行。

公費確認、金額説明、契約の際は医療事務も1名同行させてもらうこともあります。

訪問診療をさせていただいている患者様やご家族様の健康を第一に考え、もしもの時に備えて職員が全滅しないために、もちろん!!患者様にご迷惑をおかけしないためにコロナ対策でテレワークを行いました。

 

最初は医療事務は職場にいないと仕事は出来ないんじゃないかと思っていましたよ。 実際訪問診療から先生が帰ってきてから、処方箋や会計処理をしているのだから、テレワークは現実問題難しいのではないかと・・・。

しかしうちの医療事務さん達、先生と連携を取りながら、助言をもらいながらテレワークでマニュアル作成やらブログ作成やらしておるんです。 

この前なんて在院組とテレワーク組、訪問診療に同行した看護師との連携で、処方箋処理や会計処理、レセプトチェックまでしましたよ。

 

やれば出来るね~、私達!なんて自画自賛していたので、わたくし、とびっきりの可愛い顔してすり寄って労っておきました。

そしたら、その後ちゅ~るもくれるんでね。

お互い利害が一致するんですにゃ~(^ ^)。

 

在宅医療を止めないために、コロナだけでなく、いかなる状況に備えて当院のテレワークは進化し続けるのですっ!

 

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レセプト ~特定疾患処方管理加算について~

そういえば、茶太郎君。
先月のレセプトで1件減点されたものがあったよ。

え~、何すか?

この前、外来に来た糖尿病のおじいちゃんいたでしょ?
あのおじいちゃんの特定疾患処方管理加算2(特処2)が特定疾患処方管理加算1(特処1)に減点されてたよ。

特定疾患処方管理加算って・・・特定疾患を主病とする患者さんに、その病気に直接適応ある薬を処方した時に算定するやつじゃなぁ。 あのおじいちゃん、次の予約が1か月先で糖尿の注射薬処方されとったけん、算定したんじゃけど。

特定疾患の病気に関する内服薬が28日分以上処方されてたら、特処2の算定で合ってるよ。
でもあのおじいちゃんは? どうだったか覚えてる?

ん~っと。
あ~!! 内服薬は便秘の薬しか出てなかった!
でも糖尿病の治療で自己注射してるから、注射薬は出てたし内服薬が28日分なら注射も28日分って事になるんじゃと思っとったけど・・・。

そこがポイントだよ。注射薬はいくら28日分として処方していても、特処2には当てはまらないんだ。

マジっすか?知らんかった。。
処方一つにしても奥が深いっすね。次からは気をつけます。

ただ、特処1は特定疾患の病名があれば、治療と関係ないお薬が処方されても算定できるからね。だからあのおじいちゃんはこっちを算定して、この前のは差額分を返金してあげてね。

わかりました。。
やっぱり医療事務って奥が深いわぁ・・・。

 

 

POINT

f:id:torarijityou:20190828145715p:plain特定疾患処方管理加算1(特処1)  18点(月2回算定)

厚生労働大臣が定める特定疾患(「B000 特定疾患療養管理料」の算定対象)」を主病とする患者さんに薬剤を処方(特定疾患の治療対象薬剤に限らない)、1回の処方日数が28日未満の場合算定できる

特定疾患の治療と関係ない薬が処方されても算定可

★特処2と同月算定は不可

★初診日から算定可

 

f:id:torarijityou:20190828145715p:plain特定疾患処方管理加算2(特処2)  66点(月1回算定)

厚生労働大臣が定める特定疾患(「B000 特定疾患療養管理料」の算定対象)」を主病とする患者さんに特定疾患の治療対象薬剤を処方し、1回の処方日数が28日以上の場合算定できる

特定疾患の治療と関係ある薬が処方されている場合のみ算定可
★特処1と同月算定は不可

★初診日から算定可

 

  

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つぶやき ~その3~

   トラ理事長のつぶやき ~その3~

 

みなさん、おつかれさまです。トラです。

最近はコロナの影響でマスクを着けいていないと仕事も外出もままならないですね。
でも最近、マスクによる弊害、悪影響が問題になっているのを耳にしませんか?
もちろん飛沫防止で患者さんにもマスク着用を言ってるんだけど・・・ 
  私も午後には頭が痛くなることが増えてきました。
場合によっては「つけられない理由」があるってこともありますよね。
どんなものがあるか、主なものを挙げてみましょう。

①「マスクによる頭痛」
  ・マスクをすることにより、十分な酸素が吸えない
  ・マスク内は「血管を拡張させる二酸化炭素」が多く含まれた空気となり、
   それを頻回に吸う
②「マスクによる皮膚トラブル」
  ・マスクによる蒸れ
  ・蒸れることによる雑菌の繁殖
  ・マスクによる摩擦
③「マスクによる熱中症
  ・皮膚からの熱が逃げにくくなり、気づかないうちに脱水症になる
  ・マスクにより体温調節が出来にくくなる
④「感覚過敏でマスクがつけられない」
  ・マスクが肌に触れる部分が痛くて辛かったり、息苦しかったりして
   付けていられない
  ・堪え難い苦痛を感じる

マスクって今まで自分が風邪をひいたとき、とか
冬のインフルエンザ流行の時期しかつけなかったからこんなに色々弊害が出てくるなんて。
 そこで最近は「フェイスシールド」や「扇子」で飛沫を防いだり、
「○○でマスクをつけられません」と意思表示カードを付ける、
という選択肢があるようです。
あっ、あの人 マスクをしてない!と不快に思うより先に
何か理由があるのかな? と想像することが大切ですね。 

救急搬送診療料

~ある 暑い日の出来事~

 

あ~そろそろ終業時間だなあ、今日もよく働いたわあ。
そういえばさっきポチ山ポチ五郎さんのとこに往診に行ったカメ先生はまだ帰ってこんのじゃろか?

救急車を呼んでカメ先生も同乗して病院に向かったそうです

 

こりゃあ大変じゃが!そういえば最近ポチ五郎さんよく往診してくれえ、ゆうて電話してきとったわ
一人じゃし心細かったやろうなあ・・・

そうでしょうね。
さて、救急車に先生が同乗したので今日の往診の算定はどうなるでしょうか?

(え~~ もう終業時間くるのに・・)
えっとですね、わかりません

では診療報酬点数表を読んで勉強してきましょう
明日一緒に算定してみましょう
教えてもらうばかりでは身につきませんよ

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~次の日~

トラ理事長、おはようございます!!
「救急搬送診療料」という算定項目を見つけましたよ

そうですね、それを算定しましょう

では
往診料+緊急往診加算、 救急搬送診療料 の算定でよいですか?

ポチ五郎さんのカルテを見てください
カメ先生が診察を始めた時間から救急車に同乗して病院に着いて病院の診療が始まるまでの時間が記載してあります

この時間が30分を超えたら救急搬送料に長時間加算を算定するのを忘れないように
必ずレセプトコメントには時間を記載しましょう
あと、病名も先生にチェックしてもらいましょう

わかりました!
カルテをしっかり読み込まなきゃいけんのじゃな。

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施設入居時等医学総合管理料~その2~

茶太郎君、きのうの続きです

少しは勉強してきましたか?

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え~と、施設で、11人で、
膀胱留置カテーテルの状態のペキ山奥さんと胃ろうのクマ田さん、だったっけ?
ちょびっとだけ本読んできたけん、まかせて!

ほうほう!

 

こんなもんでどうですか?


【レインボー茶屋町:月2回定期訪問】

9月から ---ペキ山の奥さん+クマ田さん
     施設入居時等医学総合管理料(単一建物診療患者数10人以上)
     別に定める状態の患者
      各々:施設基準に適合し届け出した管理料(月1回)
     在宅患者訪問診療料Ⅰ(同一建物居住者)
      各々:213点 (定期訪問時算定)

大分成長してきた感じがするわあ!

・・・・・・・
まだ少し難しかったですかね
ぺき山奥さんは膀胱留置カテーテル(別に定める状態の患者)に該当しますが、
クマ田さんの胃ろうの状態は(別に定める状態の患者)に該当しません

え?マジっすか 胃ろうってきいたらなんか凄い事だと・・・

月2回訪問診療を行っている場合の、
別に厚生労働大臣が定める状態 (特掲診療料の施設基準等別表第8の2)を再度確認しておきましょう

へ~い

 

【別表第8の2】

在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料に規定する別に厚生労働大臣が定める状態の患者

1:次に掲げる疾患に罹患している患者

   末期の悪性腫瘍  

   スモン  

   難病患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病

   後天性免疫不全症候群

   脊髄損傷

   真皮を超える褥瘡

2:次に掲げる状態の患者

   在宅自己連続携行式腹膜灌流を行っている状態

   在宅血液透析を行っている状態

   在宅酸素療法を行っている状態

   在宅中心静脈栄養法を行っている状態

   在宅成分栄養経管栄養法を行っている状態

   在宅自己導尿を行っている状態

   在宅人工呼吸を行っている状態

   植込み型脳・脊髄刺激装置による疼痛管理を行っている状態

   肺高血圧症であって、プロスタグランジンⅠ2製剤を投与されている状態

   気管切開を行っている状態

   気管カニューレを使用している状態

   ドレーンチューブ又は留置カテーテルを使用している状態

    ※胃ろうカテーテルは該当しない

   人工肛門又は人工膀胱を設置している状態  

                        参考資料:保険診療便覧

 

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